序章

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オペレーター「バトルギアの世界へようこそ!」 インカムを着けた女性型ロボが作り物の笑顔で少年を迎える。 オペレーター「まず、貴方のリングネームを入力してください」 …ピッ オペレーター「入力名セロ、登録確認……登録なし」 「……」 オペレーター「新規ソルジャー登録致します。セロ様、説明をお聞きになられますか?」 セロと呼ばれた少年は小さく頷く。 オペレーター「それではバトルギアについての説明を始めます」 オペレーター「バトルギア…以下ゲームは、登録されたソルジャー同士のバトルによりランクを競うものです」 オペレーター「毎月ゲーム戦績の集計を行い、上位ランカーには本社であるアイゼル社より報奨がおくられます」 オペレーター「ゲームは遠隔映像での監視のもと行うものとします」 オペレーター「ゲームは双方合意のもと行うものとし、不意討ちなどの不正が発覚した場合、不正者には資格剥奪などの処分が課せられます」 オペレーター「合意の後バトルリングが展開しますので、ソルジャーは試合開始の合図までに支給されるバトルスーツを着用し、待機してください」 オペレーター「開始合図までにスーツを着用しなかった場合、無条件で不戦敗となりますのでご注意ください」 一呼吸おくとオペレーターは少年に向き直った。 オペレーター「ここまでで何かご質問などございますか?」 「いや、特には…」 少年はやや戸惑いながら、小さく答えた。 オペレーター「それでは続けます」 オペレーターは機械的に作業をこなしていく。 オペレーター「バトルスーツ展開用のデバイスを支給致しますので右手をお出しください」 「あ、それなら持ってます。確か、ここに…」 少年はポケットを探り始めた。 「あ、あった。これです」 少年はオペレーターに腕時計のようなものを見せた オペレーター「かしこまりました。それではユーザーの確認を行います」 オペレーターはそれを受けとると時計を起動し、中にあるコードを入力し始めた。 オペレーター「前登録者名、ゼロ。戦績表示不可能。登録抹消済み。現登録者なし。盗難等届出……なし」 オペレーター「登録完了しました」 (……クリア) オペレーターは時計を渡すと、再び説明を始めた。
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