はじまり

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放課後、僕たちは近所の空き地に来ていた。 翔「準備いいか?」 龍「いつでも」 渚「どっちもがんばれ!」 デバイスからメッセージが流れる。 『ソルジャー確認。バトル要請です。承認しますか?』 二人が承認の意思をデバイスに打ち込む。 『…バトル承認…フィールド展開まで180秒…』 聞きなれたガイドアナウンスが四角いフィールドを構成し始める。 一辺の長さはおよそ15m。 形は昔あったボクシングのリングを広くしたようなものだ。 フィールド展開までにスーツを出さないと不戦敗。 僕はデバイスを起動した。 デバイスから黒い糸のようなものが無数に吹き出し、僕の体を包み込む。 30秒としないうちに鎧のようなスーツが完成した。 体より少し大きいくらいの僕のスーツに比べ、翔のスーツはまるで重機のように巨大だ。 龍「…またガイア、でかくなったね」 翔「もうお前のルキの攻撃なんか痛くないぜ」 それぞれが定位置につくと開始のアナウンスが流れる。 『ガイアVSルキ、バトルスタート』 翔「いくぜぇぇ!」 バトル開始の声と同時にリングが揺れ、ガイアがその巨体からは考えられない速度でルキにせまる。 龍「!?…速い!」 ルキはかろうじて横に避け、振り向きざまにに鞭をガイアのコアに叩き込んだ。 金属の衝突のような音がリングに響き、ガイアが一瞬動きを止める。 『ガイア、コア耐久値11%ダウン。ルキ、武器耐久値3%ダウン』 翔「あそこから当てるのかよ!だけどこっちだって!」 ガイアは脚部に装備したブースターを起動し、距離を取ろうと後ろに下がっていたルキに一気に詰め寄った。 龍「さっきの加速はこれか!」 翔「そういうことだ!喰らえぇ!」 ガイアのドラム缶のような腕がルキを捉える。 龍「っ!」 とっさに左腕に装備したシールドを広げ防御するも、ガイアの重い一撃にルキは身体ごと吹き飛ばされた。 『ルキ、シールド破損、左腕耐久値85%ダウン。ガイア、右腕耐久値6%ダウン』 …まずい。 耐久値があるうちは数値分だけダメージをガードしてくれる。シールドを使えばさらに損傷は少なくてすむ。 だけど…耐久値を上回ると損傷部での攻撃が無効となるだけじゃなく、今までガードしていたダメージが直接身体に通ることになる。 今の一撃でルキのシールドは壊され、耐久値も残り少ない。 シールドが破損した以上、迂闊に防御することもできない。
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