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薫との関係が始まって2ヶ月が経ったある時、 大学生の息子が柳瀬を部屋へ呼んだ。 ドアをノックし、中へ入る。 「孝兄ちゃん、何?」 孝のただならぬ雰囲気に、柳瀬はおそるおそる尋ねる。 「涼太お前、薫と何やってる」 「え?」 ドキリと心臓が大きく鳴る。 孝は知っている、と直感的に思った。 「この前、夜中に薫がお前の部屋に入るのを見た」 「あ…それは……その…」 うつむいたまま口籠もっている柳瀬を、孝は怪訝そうな目で見る。 柳瀬は全身から冷や汗が出てくる感覚だった。
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