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「あれは……あの時の少年が入学して来たのか……今年は少々忙しそうじゃの……」
「これで新入生は全員かな??」
後ろからの声の正体は、この学園の女教師であろう人だった。
金色のショートカットの髪に、知的さを漂わせる眼鏡、薄めの化粧と耳につけたイヤリングが非常にまとまった感じをかもし出していた。
「まずは自己紹介をしましょうか。私はユキネ、あなた達を担当する教師です。よろしくね」
と言いながら軽くウインクする姿にシュウは、教師ってこんな軽そうで大丈夫なのか?と思った。
「はい、次はあなた達の番よ?端から順番によろしくね」
とユキネが言うと、約50人くらいであろうか?
新入生達が次々と挨拶と自己紹介を開始していった。
「――です。得意な魔法は氷柱雨です!!」
シュウの隣にいた男が自己紹介を終え、いよいよシュウの出番となった。
「シュウです」
シュウの名前を聞いた瞬間に辺りがざわめきだした。
「得意な魔法は……ありません」
シュウが自己紹介を終えても、周りのざわめきは収まらず、時折、‘呪いの子’と言う単語が聞こえてくる。
シュウはそんなのはもう慣れっこと言わんばかりに立っていたが、それに反応を見せたのはレベッカだった。
明らかに苛立った様子で腕を組んでいた。
「ちょっと――」
「はい、みんな静かに!!自己紹介はまだ終わってないんだから!!次の子」
レベッカが何かを言おうとしたが、それはユキネの言葉により遮られた。
「はい、これでみんな自己紹介は終わったかな?そうしたら次はみんなの魔法属性を調べるわよ」
それだけいうとユキネは先ほどの魔法陣のような物の真ん中にたった。
すると、水と書かれた丸が強く光り出した。
ユキネの説明いわく、この魔法陣は自分の魔法の属性を調べる物で、皆、得意な魔法はあるだろうが、この魔法陣は自分の体の奥底の魔力まで調べ、本当に適している属性を教えてくれるらしい。
自分が得意としている魔法と自分の本当の属性が違うというのが実は良く起こるそうだ。
「はーい、じゃあ最初の子、真ん中に立ってー」
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