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「はい、アル君は火ね」
新入生が一人一人魔法陣の上で適正を検査している。
たまに自分の思っていた属性と違う属性が光って、驚く姿が見受けられたが、ユキネはそんなものは全て無視して、名前と属性を紙に書き込んでいた。
「次はレベッカちゃん」
レベッカの名が呼ばれ、レベッカは元気よく返事をして、魔法陣の真ん中にたった。
「レベッカちゃんは――光ね、珍しいわね」
どうも光と闇の属性というのは珍しいらしい。
魔法の属性は五大属性に光と闇を足して、全部で七属性だが、属性の人数比率は単純に七等分では無いらしい。
魔法は自分の適正属性意外の魔法も、ある程度の才能があれば、適正属性に比べればレベルは極端に下がってしまうが、少しだけは使える。
それは自分の得意属性と適正属性が違って驚いている新入生達からもわかる。
しかし、適正属性が五大属性のどれかである場合、光と闇の魔法だけは使えないのだそうだ。
だが、逆は関係無いらしい。
光と闇の術者は、光は闇、闇は光とお互いの属性は勿論、五大属性の魔法も使えるのだ。
もちろん極端にレベルは下がってしまうのだが、それでも全部の属性を扱えるというのはやはりステータスであり、最初からある程度優秀という扱いを受ける。
ユキネから光と闇の属性は千人に一人しかいないと言われるとレベッカは嬉しそうに、魔法陣を降りていった。
「次がシルベスト君」
青紫色の髪を腰まで伸ばし、非常に大人びた顔をしている男が黙って列からでてきて、魔法陣へと向かっていく。
新入生は皆緊張するなか、何くわぬ顔で魔法陣の真ん中にたつその表情と容姿から、いったい何人の男が(本当にこいつ同級生か?)と思ったのだろう?
そして何人の女が(カッコイい!!)と思ったのだろうか。
「シルベスト君が……水、雷、木!?さ、三属性!?」
周りの新入生もざわめきだつ。
「全く……今年の新入生はどうなってるのよ?光の術者だけじゃなく、三属性って……多分世界中探しても十人いないんじゃないの?二属性ですら万に一人の確率なのに」
そう言いながらも、紙に書き込むユキネの手は止まらない。
そして次の生徒の名前を呼ぶ。
「次がシュウ君」
シュウの名前が呼ばれると、周りのざわめきがさらに強くなった。
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