105人が本棚に入れています
本棚に追加
それは唐突に訪れた。
急に赤ん坊が泣き止んだのだ。
つい先ほどまでやかましいまでに泣き続けていた赤ん坊の鳴き声が急に止み、男は焦りを見せたが、産婆はただ「泣き疲れて眠ったのでございましょう」といい、男はそれを聞いて安心したのかホッと一息つき、赤ん坊をベッドの上に眠らせた。
誰も気づかない
赤ん坊が寝たのではなく気を失っている事に
それは体の中に入った何かが原因だと言う事に
誰も気づかない
赤ん坊が泣き止むと同時に赤ん坊の奥底に莫大なる魔力が宿った事に
それは決して人間が持ちえない量の魔力だということに
しかし、赤ん坊は何事もなかったようにスクスクと育っていく。
5歳の時に起こるあの事件までは。
最初のコメントを投稿しよう!