呪われた少年

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「シュウ!!逃げて!!」 「シュウ!!シュウってば!!」 ゆさゆさと揺られる感触がする。 まだ眠いっつーのに誰だよ シュウが眠い目をこすりながらも目をあけると、そこには少しウェーブのかかった赤茶色の髪を肩あたりまで伸ばし、パッチリとした二重に、整った顔立ちをした可愛らしい女の子が立っていた。 「なんだ……レベッカか……お前な、いくら家が隣で幼なじみだからって勝手に入ってくるなって何回言えばいいんだよ」 欠伸をしながらそれだけ言うと、再びシュウは横になった。 「なら窓を開けて寝ない事!!そんな事よりも、シュウ!!私たち今日から学校だって忘れてない!?やっと16歳になって学校に通えるようになったんだから、初日から遅刻なんてみっともないまねはやめて!!」 (人の部屋に勝手に侵入しといて、そんな事って……) シュウはそう思いながらも、そう言えばそうだったと言わんばかりに頭をかきながら起き上がり、布団から出てきた。 (あの時の夢か……久々に見たな……) 「シュウ!!聞いてるの?ずっとぼーっとして!!」 少し早めの歩調で歩きながらレベッカがシュウの前にでて、シュウの顔を覗きこんでいた。 「あ、ああ。何の話しだっけ??」 「やっぱり聞いてない!!学校のクラスは魔法や体術、学問とか含めた総合的な能力で分けられるのは知ってるよね??それの予習はちゃんとした??」 相変わらずシュウの顔を覗き込みながら聞いてくるレベッカに少々面倒くさいと思いながらも 「レベッカも知ってるだろ。俺は--」 シュウが何かを言おうした矢先に、レベッカが割って入る。 「私はねー、『光矢!!』」 レベッカがそう唱えるとレベッカの手に光輝く弓が現れた。 その弓の弦をレベッカが射ると、矢は装着されていないにも関わらず、レベッカが射った方向に光の矢が飛んでいった。 「へぇ。光の初級呪文を無詠唱か。そんだけ出来れば新入生の中ではトップクラスだろ」 と言いながらも心の中では、これを見せたかったからこの話題をふったのかと思っていた。 そんなシュウの考えなど知らずにレベッカは笑って自慢げにしていた。 そんなこんなしているうちに、シュウとレベッカは学校の校門に到着した。
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