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果たしてこの校門は生徒を迎えいれる為のものなのか?
威圧するためにつくられたのではないか?
そこにそびえ立つ門は、人々にそう思わせる程に巨大で、威圧感を放っていた。
その周りに広がる学園を囲む塀も同じであり、それは侵入者を防ぐというより、脱走者を逃がさないために作られたのでは?とシュウは思った。
「いつ来ても……学園には見えねぇ」
シュウがボソッと呟いた。
「早く入るよ!!」
そんなシュウの事など完全無視のレベッカはその扉の一部に手をあてながら少し力を込めたような仕草をしたかと思うと、その学園の門の一部が消し飛び、レベッカはそこから優々と中に入っていった。
と、同時に、門の無くなった部分が一瞬で修復された。
「シュウも早くー!!」
中からレベッカが呼ぶ声が聞こえ、シュウはやれやれといった表情をしながらも、先ほどのレベッカと同じように門に手をあて、少し力を込める仕草をした。
……開かない
中からは相変わらずレベッカが呼ぶ声が聞こえる。
シュウのやった仕草はレベッカのそれと全く同じであったが、決定的に違うのは門が開くか開かないかだった。
(そんなもんだよな……)
シュウは再び門に手をあて、今度は思いっきり力を込める仕草をした。
すると、先ほどのレベッカの約半分くらいの大きさだが、門に穴が開き、シュウは身を縮めながらも、学園の中へと入っていった。
それと同時に門は再び修復されていた。
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