当主が背負う物

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「若殿、あの大きく手を振ってる者は誰にありんす?」 紫の大きな瞳を細め、前方から迫る男を睨むかの如く見つめる甘寧。 「俺の父、孫堅だよ」 との仲謀の言葉に。 「あれが江東の虎、孫文台!!」 と叫び、驚く甘寧。 「はあ、ワッチが思ってたんと、かなり違うでありんすな」 「一度(ヒトタビ)、戦に出たら虎の如く恐ろしいよ」 そう呟く、仲謀のすぐ側にまでやって来た孫堅。 「ハッハッハッハ、久しぶりだな仲謀」 豪快に笑い飛ばし、嬉しそうに抱き締める孫堅。 「親父も元気そうでなによりだよ」 「大した怪我もしなかったからな」
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