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許都の曹操邸に、劉備と曹操の姿があった。
整えられた庭が見える離れ。
煌びやかな机に並べられた料理の数々。
その机を挟み、顔を見合わせる2人の英傑。
桃色の瞳で、玄徳の細い目を静かに見据える曹操。
「長きに渡り、お世話になりました」
深々と頭を
「もう少し、色々と語りたかっただけに残念だよ」
「申し訳ありませぬが、私も陶謙(トウケン)様に仕える身、何時までも留守にする訳にいきまぬ故に」
と言うが、本音は底知れぬ曹操の下を一刻も早く離れかった。
それを知ってか知らずか、曹操は立ち上がり庭を見ながら口を開いた。
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