伝国の玉璽

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江東の虎・孫堅も二千の兵をと共に、長沙へと向かっていた。 「親父、アレって本当に持って帰ってよかったのか?」 海のように深い青髪を揺らしながら尋ねるのは、伯符。 「ん?ああ、アレか」 と言い、列の中央で歩兵に囲まれた荷馬車を己の碧眼で一睨み。 「構わないだろ、アレが俺の下に来たのも何かの縁あっての事だろうしな」 そう言い、ニカっと笑いながら、隣で馬に跨る伯符の背中を叩いた。 「つうっ!」 整った顔をしかめる伯符を見て、孫堅は豪快に笑いながら。 「この程度で痛がってるようじゃ、次期当主の座はまだまだ先だな」 と言った。
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