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予州の郊外にて、雲長と周倉に見送られ華佗は旅立とうとしていた。
「もう少しゆっくりとしてけば良いのにの」
雲長の言葉に華佗は軽く頷き。
「いや、十分にゆっくりしたさ」
と答えた。
「陶謙の爺様が召し抱えるって言ってくれてたのに、勿体なさすぎやしないか」
「金貰って一カ所に留まるよか、金は無くとも各地を回る方が好きな性分でな」
「そうか、ところで何処に向かうか決まっておるのか?」
雲長の質問に華佗は。
「そうだな」
と呟き、頭を掻きながら悩む様子を見せ。
「江東にでも向かうかな」
と、答えた。
「江東か、あちらは風土病が流行っておると聞くが」
「なら、医者である俺の出番だな」
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