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騎馬隊を中心とした追撃部隊は、疲弊した孫堅軍の手前まで迫って来ていた。
最も遅れていた荷馬車を見た孫堅は、荷を捨てるように命じた伝令を走らせた。
「親父、あの中には玉璽があんだぞ」
「玉璽なんぞよか、少しでも多く兵の命を守る事の方が大事だろうが!!」
孫堅に一喝され、押し黙る伯符。
怒られたからでは無い、父の器の大きさを改めて思い知らされたからであった。
そんな伯符に声を掛けた祖茂。
「策若様はまだ若い、これから様々な経験を通す事で必ずや、殿を超える器になりましょうぞ」
「ありがとう、祖茂」
礼を述べると同時に、後方から聞こえし断末魔。
振り向き確認せずとも、敵により兵の命が奪われたと分かる。
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