伝国の玉璽

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「それは?」 顔を隠してるため、表情こそ読めぬが怪訝そうな声を出す蔡帽。 「はっ、孫堅軍が捨てし荷物の中にあったのですが、箱の装飾からして何か重要な物ではと思い、持って参りました」 と言い、中身を見て下さいというように箱を差し出しす兵。 兵から箱を受け取った蔡帽が中身を見ると、中には黄金で作られし龍の印が一つ。 それが何であるかを悟った蔡帽は、伝令に。 「追撃部隊を呼び戻せ」 と命じた。 もう一度、中身を見た蔡帽の口元は歪な笑みが浮かんでいる。 「孫堅の首以上に価値ある物が入った」 誰に言うでも無く、蔡帽は呟いた。
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