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初めての冬
「あ、どうも」
初めて会ったのは親戚の集まりのときで
その時私は中学二年生で
太一は一つ上の三年生だった。
「お母さん..あれ誰?」
太一がかっこよすぎて
話し掛けられなかった。
「あぁ、あれは山梨にすんでる親戚やで」
私はずっと他の親戚と話す太一から目が話せなかった。
ようやく話せるようになったのは
それからずいぶん時間が経ってからだった。
「初めまして。よろしくね」
テーブルに座り向かい合う。
二人で缶チューハイを飲んだ。
「標準語ってすごい違和感あるなぁ」
「そうかな?(笑)こっちからしたら大阪弁の方が違和感あるよ(笑)」
ドキドキしすぎてあまり話せないまま
帰る時間になってしまった。
最後まで連絡先は聞けないままだった。
「舞、またね」
「うん。またなぁ」
太一は次の日の夜に山梨に帰るらしい。
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