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そんな、ある日。
レンは、何時ものように錯を辿りながら歩き、逃げるための隙間を探して歩いていた。
「やっぱり…ないか…」
そう呟き、空を見上げた。
雲の一つもない、澄んだ青空。
鳥が二羽、レンの頭上を翼を羽ばたかせながら、何処かへと向かって飛んでいく。
その姿を目で追っていたが、あっという間にその姿は見えなくなった。
(いいな…。僕も空を飛んで、何処かに逃げたい…、何処か…遠くに。)
一つに束ねた金髪を、憧れに染まった頬を、風が通り過ぎていった。
暖かく、優しい、太陽の匂いがする。
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