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―日曜日AM9:23―
ピンポーン―
ピンポン ピンポン ピンポーン―
ピピピピピピピピピンポーン―
―ガチャッ
「なんだよ!!!嫌がらせかっジンッ――…ん?」
そこは沙由奈のアパート。
朝からしつこくうるさい
チャイムに出てみれば
目の前にいたのは
沙由奈が発した"ジン"という名前の人物じゃなく
北澤 真葵。
「………真葵。
今日は何曜日で何時なのか
確認してから来たのか?」
沙由奈は
眉をピクピクさせながら問う。
「最悪な雨の日曜日ぃ♪
いいからちょっと入れてくれる?」
「なんだよ今日、冷たいな。
帰ってかあちゃんの温かい味噌汁を食え」
「大家さん呼んでくるよ?」
「さあさあ
狭いところだが入りなさい!
早く早くっ」
真葵は中へ入ると
勝手に部屋へ行き、ヒーターをつけて暖まる。
「自由すぎだな。」
沙由奈は今まで入っていた
ベッドの布団の中へ入り
また眠ろうとしていた。
「ねぇ"ジン"って誰?てか人?」
「…―ふっ
あれが人なわけないだろ。
悪魔から産まれた魔王だ。」
「ああ、大家さんね。」
今日の真葵はどこか変。
それは玄関で見たとき
沙由奈もわかっていた。
暫く沈黙になる二人。
「……―ぐぅ」
いや
沙由奈は寝ていた。
ただの無神経である。
そんな無神経な沙由奈に
真葵は上から思いっきり乗る。
ドスッ
「―くぁッ!!
ちょっ―…………し……ぬッ」
「……沙由奈、オレ寂しい。」
「……………。」
沙由奈から返事はないが
真葵は続ける。
「………苓汰が好きなの?」
沙由奈には真葵の
頭のてっぺんしか見えない。
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