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「―――情報屋として聞こうか。おまえたちはここに何を求めてやってきた?」
先程の高笑いから一変し、真剣な眼差しをこちらに向けてくるケルティ。
リュウは息を飲んだ。
するとロディがリュウを見る。
「ん?……どうした?」
「…リュウ、これから話すことはあなたにも関係があることだからしっかり聞いて。」
「え、ああ。」
「とりあえず、教えてほしいことは"朱(シュ)"の在処。この大陸のどこかにあると聞いてます。」
「ほぉ。」
「……でも、あなたは対価がないと教えてはくれない。」
「そのとおりだ」と言うようにケルティはにやりと笑う。
「対価だが…まずはなぜ"朱"を探しているのか、とでも聞いておこうか。」
「………そうくると思ってました。」
「あぁ、私はお前たちに何かあると考えている。」
「何かって?」と、咄嗟にリュウが口を挟む。
それをラスヴィが「今は静かにしとけ。」と言い、抑える。
「何かとは……私にもわからん。しかしな、長年の情報屋の勘がそういってるんだよ。」
ケルティは一人で興奮し、床をダンダンと踏み始める。
「………そう、気に入られちゃったのね、私達。」
ロディは相変わらずのポーカーフェイス。
心の中ではどのように思っているのだろうか。
「いいわ、全部話します。しかしくれぐれも内密に。」
そして一同はやっと椅子に腰かけた。
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