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「―――そして、ルベイル国のお姫様があなたってわけね。」
ケルティは納得したように言った。
「…その通りです。私たちは国を取り戻すために行動することにしたのです。」
そんなに大変な事態だったのか。
リュウは何も言えなかった。
自分と同じ年の女の子が、悪魔と闘おうとしているのに。
俺は自分のことしか考えてなかった。
情けない。
どれだけの人が苦しんでいるのだろう。
殺されたのだろう。
――悪魔に。
俺はきっと意味があってこの世界に呼ばれたんだ。
なのにずっと逃げてたんだ。
自分の"役目"から。
――情けない。
「―――俺…」
時計の針の音しか聞こえない部屋の中、リュウの声に視線が集まる。
「俺、自分の役目はよくわかんないけど、頑張るから。絶対。力になれるように頑張るから。」
俯いてそう言った。
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