第一章>>>見知らぬ世界

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「――リュウ、ありがとう。」 優しい声色の返事。 俯いた顔を上げる。 ロディの頬を涙が伝っていた。 リュウは戸惑う。 「うっわー、泣かせたー!」 ケルティがふざけてリュウに言う。 「え、えっ…俺っ!?」 とっさにラスディに助けを求めるが、ラスヴィはにこりと微笑み頷くだけ。 「ちょ、泣かせるつもりはなかったんだ。…てかなんで泣いてんの…?」 「違うの。嬉しかったの。やっと、力になってくれるって…。」 指で涙を拭い、真っ直ぐとこちらを見つめてきた大きな瞳が妙に愛おしかった。 「―――で、"朱"の情報だけど…」 「あ、そうだった。有力な情報は?」 「………これがさぁ、いろいろありすぎて困るんだわ。」 「…へ?」 「いや、多すぎてどれが信用できるかもわからない状態。」 ロディの目が一瞬点になる。 ラスヴィも焦った表情。 俺は驚かなかった。 何せ"朱"の用途、形状、効力、なにも知らないからだ。 .
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