第一章>>>見知らぬ世界

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「拠点」に着いたのは日が暮れてからだった。 しかし、それは「拠点」と呼ぶにはイメージと違いすぎていた。 リュウから見れば、ただの家。 いや、家とも呼び難い。 山にあるわけじゃないが、「山小屋」と呼ぶべきだ、そう思った。 「………これが、拠点?」 リュウは口をぽかんと開けて呟くように言った。 その「拠点」は町外れの丘の上にぽつんと佇んでいた。 周りは草だらけ。 「そうよ。何か文句が?」 冷たい視線。 ロディも女の子だ。 実はこんな拠点が嫌なんだろう。 「いやー、思ってたより古いなーと思って……」 苦笑いして誤魔化す。 拠点についてはあまり触れてやらないことにしよう。 「……私だってこんな拠点嫌。でも仕方ないの。お金もない、仲間も少ない。だから……我慢して。」 「仲間はほかにもいるってことか?」 「いいえ。今の[少ない仲間]は私たち4人のことよ。」 俺たち4人だけ……だと!? こんなんで悪魔に立ち向かえるのか…? .
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