4人が本棚に入れています
本棚に追加
気が付くと朝になっていた。
ロディたちは支度で忙しく、自分は何もすることがなかったためいつの間にか眠っていたようだ。
目覚めたとき、机に突っ伏している状態だった。
しかし、誰の心遣いか、肩には毛布がかけてある。
「ふぁあ~」
大きなあくびが出る。
昨日歩き回って疲れていたようだ。
「……ずいぶん遅いお目覚めだな。」
背後から声がして振り向くと、ラスヴィが立っていた。
呆れた表情。
「そんなに遅かったのか?」
「いや、まだ早朝だが。」
「じゃあいいじゃん。」
「…見ろ。」
ラスヴィがその場から少しずれる。
すると、山小屋の玄関であろうドアが開いていて。
外からこちらを冷ややかな表情で見つめている人物二人が見えた。
「え゛」
ロディとケルティだ。
二人とも怒りが表情にはっきりと表れているわけではないが、なぜか威圧感があった。
とりあえず急がなければ!
身の危険を感じたリュウはとりあえず急ぐ。
何も持っていくものはなかったけど、肩にかけてあった毛布を持って走った。
「……遅いわ。」
ロディが言う。
「…遅いわね。」
ケルティが言う。
「………すいません。」
リュウが謝る。
「ま、いいわ。今回の責任はラスヴィにあるから。」
「俺か!?」
「あなたが言ったんでしょ。『疲れてるだろうから思う存分寝かせてやってくれ』って。」
「…それはそうだが…」
「昔みたいにお兄ちゃん振ることはやめるのね。当の本人は記憶にないんだし。」
「ロディ嬢、それはっ……」
「?」
そういえば。
ラスヴィは俺がこっちの世界で目が覚めたときに「久しぶりだな」と言っていた。
知り合い…だったのか?
世界が違うんだ。
あったことないはずなのに。
.
最初のコメントを投稿しよう!