第一章>>>見知らぬ世界

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「…あ………」 バスへ向かう足が止まった。 笠は結斗と目を合わせたまま、立ち尽くす。 結斗も同じだった。 複雑な表情を浮かべている。 紫乃は相変わらずの無表情で、結斗を見つめていた。 「……何、してんの?」 結斗がようやく口を開いた。 「…えっと……傘もってないみたいだったから傘を貸して―――」 笠はこの状況の理由をを説明しようとしたが、結斗に遮られた。 「違う、お前に聞いてるんじゃない。」 「は?………え?」 結斗の視線は紫乃へと向かっていた。 .
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