第一章>>>見知らぬ世界

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突然のこと。 即座に理解するには無理があった。 「……いきなり…何?」 「姫っ、何も膝をつかれなくても…」 ラスヴィが紫乃に向かってぼそりという。 聞こえてるんだが。 今、「姫」って言ったか? だったらなんだ、成瀬は異世界では「姫」? 「だまりなさい、ラスヴィ。リュウに失礼です。」 「はっ、失礼いたしました。」 「えーっと……」 いきなり「リュウ」と呼び捨てにされ、戸惑いながらも、そのはきはきとした成瀬の口調に迫力を感じた。 「残念ながら、リュウ。あなたに拒否権はないの。」 「…は?」 「あなた一人じゃこの世界では生きていけない。だから、私たちと一緒に。」 「………」 なんなんだ? 頼んできたり。 強制してみたり。 「とりあえずここが異世界ってんなら、元の世界に帰りたいんだけど。」 「……あなた…今の話聞いてた?」 「あぁ。……でも、もちろん帰れるんだろうな?」 「……そうね、ちゃんと協力してくれたら帰る方法を教えるわ。」 彼女は、無表情で話す。 「―――わかった。」 リュウは溜息まじりに返事をする。 「…交渉成立ね。」 そこで彼女はにこりと笑ってみせた。 .
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