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この手紙を読んでいるということは、
俺は逝ってしまったようだ。
改めて、こう手紙を書くというのは恥ずかしいな。
だが、もう逝っているのでいいか。
お前には色々と迷惑を掛けてきた。
それはもう、数えられないぐらいに。
退職後、余生で何か出来ることはないかと、いろいろやろうとしたが、
お前は「なに、あなたらしくない、普通でいいのよ」の一点張りで、聞く耳を持たなかった。 な。
正直、体にはがたが来ていた。
多分、止めろと言われていたタバコが原因だろう。
お前に隠れて病院にも行った。
診断結果は案の定、もう治らないまで進行していた。
それからの生活は空虚なものだった。「死」と言うものを身近に感じるとすべてのことがどうでも良くなってしまうみたいだな。
俺は悟られまいと誤魔化していたのだが、お前のことだ。
どうせ、分かっていたのだろう。
あれが偽りの笑顔だったとしても俺は嬉しかったよ。
これから、一人ぼっちになってしまうがお互い様だ。
嫌だが、言わなくちゃならない。本当のさよならを。
ここまで生きたいと思わせる君が嫌いだ。
今まで、ありがとう。バイバイ。
そして、いつかまた会おう。
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