第1章

8/10
前へ
/155ページ
次へ
************* 時計を眺めると、もうすぐ9時半。 自習室の入り口に立って30分が経過している。 帰宅する人がチラチラ私を見てる。 9時に自習室の入り口って言われたんだけど、当の本人は荷物を置いたまま姿が見えない。 はぁー... 私は9時になるのが待ち遠しくて、時計を見るたびにどきどきしてたのに、慶太にとっては全然大事な約束じゃなかったんだ。 ものすごく凹む... 携帯を見ても、『メール未読0件』。 おなかすいたし、帰ろうかな。 携帯を開いて、メールを打った。 『自習室にいないようなので、今日は先に帰ります。』 もうちょっと絵文字使ったほうがいいかな?とか色々考えたけど、考えれば考えるほどわけがわかんなくなってきたので、 もういいやっ! 半分投げやりで、送信っと。 送信完了を確認して、エレベータを使って1階に降りると、受付のソファで聞き覚えのある声が聞こえた。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加