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「綾、ご飯は?」
「塾で適当に食べたから、今日はいい。」
「もう、だったら早めに連絡ぐらいしなさい!」
もう無理。限界だ...
母親の言葉を最後まで聞く前に、私は部屋に入り扉を閉め、そのままベッドに倒れこんだ。
仰向けになると、真っ暗な天井が目に入った。
どうやって家に帰ってきたのか覚えてない。
慶太の中に、私を好きだという感情がないのを突きつけられた気がする。
慶太は何のために私と付き合うのだろうか...
彼にとって、私と付き合うことのメリットってあるのかな。
考えても考えても慶太の思いは全くわからなかった。
それにしても、約束を破られたのは私なのに、破った本人が怒る理由がわかんない。
携帯を開いても、そこには何も表示されない。
なんなのよ、一体...
一緒に帰ろうって言ってくれたじゃない...
心が苦しくて視界がぼやける。
--「綾、きっとすごい辛い恋愛になるよ。...--
里桜の言葉が心に響く...
わかってる。
想ってるだけの恋愛はつらい。
それでも私のことを知ってもらって少しでも私のことを好きになってくれれば...
そう思わずにはいられない。
だって、私は舞よりもずっと前から慶太のことを知っていたし、
ずっとずっと大好きだった...
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