17人が本棚に入れています
本棚に追加
「うそっ、ありえないでしょ?なんで綾なの?」
「うっ...そんなはっきり言わなくても。」
昼休み。
昨日の慶太との出来事を親友の伊藤里桜(いとうりお)に打ち明け中だったんだけど、話しの途中から里桜の顔つきが険しくなって、突然のきつい突っ込み...
うう...泣きそう...
「私だって、いきなりこんな展開になるなんて思ってもみなかったし。それに慶太君は今時点で私のこと全然好きじゃないと思う...」
「はぁー?何逸れ?好きでもないのに何で告るの?っていうか、好かれてないってわかってて、あんたは何で受け入れるのよ?」
「うん、まぁそうだよね。里桜の言ってることは最もだと思う。」
「思うって...彼ってあれでしょ?塾に行くと常にギャルに囲まれてて、女には不自由してませんって感じで。」
「そうなの。ね、よくわかんないよね。ギャルに見飽きて趣味が変わったとか...」
あはははと笑う私を冷静な目で見ていた里桜の表情が突如真面目になった。
「綾、きっとすごい辛い恋愛になるよ。綾のいいところは楽観的で前向きなとこだと思ってる。でもそれが失われるような恋愛はしてほしくない。」
「...大丈夫、大丈夫!無理になったらやめればいいんだし。それに何かがヒットして私を選んだんだろうから、すぐに捨てられることはないよ。たぶん...」
そう言うと、私は里桜の両手を握って、ぶんぶんと上下に振った。
最初のコメントを投稿しよう!