第1章

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************* 私はいつも通り授業が終わるとすぐに塾に向かった。 塾の授業がなくても、自習室は自由に使えるので毎日通っている。 ブーブー 自習室の席に着くなり、携帯のバイブが鳴った。 メールだ... 差出人を見ると「高山慶太」。 彼女になってはじめてのメール...! そわそわしながら携帯を開くと 『中庭に来て。』 素っ気無い(泣 しかも中庭か...嫌だな... 中庭は、塾の中でもあまり柄の良くない人たちがたむろしている。 慶太はそこの常連というより、そのグループの中心的人物だ。 しかも、慶太のことを気に入ってるギャル軍団が常に彼を囲んでいる。 3階の廊下から中庭を覗くと、案の定、ギャルが1人、2人...4人。 みんな細っ、スカート短っ。 ロン毛茶髪男子が同じく4人。 その中心に慶太が座っている。 いやだ... 本当に行きたくない。 だって雰囲気違いすぎじゃん。 ブーブーブー 『着信中 -高山慶太-』 「...はい。」 「何してんの?メール見たでしょ?中庭来いって。」 「あ...のさ。なんか行きにくいんだけど...」 「はぁ?なんで?とりあえず早く来い!」 プツッ プープー 切られた...有り得ない... 上から覗くと、慶太のイライラしてる様子が伝わってきた。 このままじゃまずい。 ものすごく行きたくないけど...行きますか。
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