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「おい、舞。慶太の彼女がいるのにその言い方はないんじゃねぇの?」
「えー、ヒロなんでそんなこと言うの?彼女できたぐらいでいつものメンバーがいなくなるなんて変じゃない。ねぇ慶太ぁ?」
ほんと、居た堪れない。
だからこんな場所に来たくなかったのに。
もう嫌だ...慶太がこんなとこに呼んだ意図が全っ然わかんない。
「私...もう自習室に戻り...」
「舞、わりぃ。俺、今日からこいつと帰るから一緒にメシは食えない。」
自習室に戻ろうと立ち上がった私の腕を引っ張りながら慶太が答えた。
掴まれた腕が熱い...
予想してなかった慶太の言葉がすごく嬉しくて、顔が自然にほろこんでしまう。
ちらっと舞を見ると、
「慶太、つまんない人間になったよねー。」
そう言いながら、不貞腐れたように足を組んでそっぽを向いていた。
「まぁ当然そうだよな。でも綾ちゃんが居ないときは付き合えよ!」
ヒロって呼ばれてるこの人は、私の名前知ってるんだ...
ということは、慶太が私のことを話してるってこと?
「当然!綾がいないときはよろしく。じゃあ俺ら行くわ。」
「おう。じゃあなー。」
また明日ー
舞を除いた人たちから手を振られて、中庭の会(?)から晴れて脱出!
私は集団に向かってペコッとお辞儀をして、慶太に腕を引きずられるようにして中庭を後にした。
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