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「ほんま最近皆の俺に対する扱いが酷すぎるっちゅー話‥ゃ、うが!?」
「よっしゃあ!謙也の顔面にヒットしたでー!」
先程弄られていた忍足謙也は、ぶつぶつと文句を言いながら歩いていた。しかしそこで一年生、関西のスーパールーキーの遠山金太郎により遮られた。
テニスボールを忍足の顔面に食らわせたのだ。勿論、これは遠山がわざと当てたもの。彼なりの励まし方だったのかもしれない。
だが、忍足は完全に我慢の限界を超えていた。当てられたテニスボールを掴むとラケットで遠山に向かって打つ。
「何すんねん、どあほ!!」
「はははっ!謙也が怒った怒った!」
「うお!?‥打ち返して来よったな!浪速のスピードスターに勝てると思うなや!」
「あー‥ほんまうっさいっすわ。俺帰ってもええですか?」
「はぁ‥謙也も金ちゃんもええ加減にせぇや。ボールが他所に飛んで行ったら危ないやろ?」
「そんなヘマ、ワイはせぇへんで!」
「俺かてな、そんなヘマこくはずないやろ‥っ!?」
暫く打ち合いをしていたが、案の定忍足が足を滑らせボールは変な方向へ飛んでしまった。
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