◎4月14日白石蔵ノ介誕生日

3/6
367人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
※ここから先は白石Side 今日は俺の誕生日‥なんに、誰も祝ってくれへんやん。いや、クラスの殆どは祝ってくれたんやけど‥テニス部のレギュラー陣は全員祝ってくれへん。おまけに悠理にも今日誕生日っちゅーことを伝えたんやけど 「あっ、そうなんだ」 ‥おめでとうの一言も言ってくれへんの?え、俺めっちゃ頑張って自分の誕生日言うたんやけど。ちゅーかへこむわ‥なんやへこむわ。俺だってこんな容姿しとるけど、まだ15歳の純情ボーイなんやで?← 謙也にも財前にも千歳にも‥皆にアピールした。せやけど、返ってくる返事は決まって「忙しいんや、またあとでな」ばっかりやねん。 部活が始まっても何もない。いくら何でも酷ないか?去年は祝ってくれたやん‥。 「はぁ‥せっかくの誕生日っちゅーんに‥」 結局何事もなく無事に部活は終わった。ちゅーか、無事に終わるて何か嫌や。 思わず溜め息混じりに本音がぽつり。帰りも悠理と一緒に帰ろう思て、誘ったんやけど‥ 「ごめん!ちょっと用事があるけん‥一人で帰ってくれん?」 顔の前で手を合わせて見上げられたら断れんやろ。身長小さいから自然と上目遣いになるんやろうなー‥。 ほんまは一緒に帰りたい‥って思たけど、悠理を困らせたないし頷いてもうたわ。 「あーあ‥何で誰も祝ってくれへんのやろ‥」 「くらーっ!」 「え、あ‥悠理‥!」 夕焼け色に染まる空を見上げながら独り言を呟いていると、後ろから俺の名前を呼ぶ声がし勢いよく振り返る。視界にはおそらく学校から走って来たんだろう、息を切らしている悠理が居た。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!