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※ここから先は白石Side
今日は俺の誕生日‥なんに、誰も祝ってくれへんやん。いや、クラスの殆どは祝ってくれたんやけど‥テニス部のレギュラー陣は全員祝ってくれへん。おまけに悠理にも今日誕生日っちゅーことを伝えたんやけど
「あっ、そうなんだ」
‥おめでとうの一言も言ってくれへんの?え、俺めっちゃ頑張って自分の誕生日言うたんやけど。ちゅーかへこむわ‥なんやへこむわ。俺だってこんな容姿しとるけど、まだ15歳の純情ボーイなんやで?←
謙也にも財前にも千歳にも‥皆にアピールした。せやけど、返ってくる返事は決まって「忙しいんや、またあとでな」ばっかりやねん。
部活が始まっても何もない。いくら何でも酷ないか?去年は祝ってくれたやん‥。
「はぁ‥せっかくの誕生日っちゅーんに‥」
結局何事もなく無事に部活は終わった。ちゅーか、無事に終わるて何か嫌や。
思わず溜め息混じりに本音がぽつり。帰りも悠理と一緒に帰ろう思て、誘ったんやけど‥
「ごめん!ちょっと用事があるけん‥一人で帰ってくれん?」
顔の前で手を合わせて見上げられたら断れんやろ。身長小さいから自然と上目遣いになるんやろうなー‥。
ほんまは一緒に帰りたい‥って思たけど、悠理を困らせたないし頷いてもうたわ。
「あーあ‥何で誰も祝ってくれへんのやろ‥」
「くらーっ!」
「え、あ‥悠理‥!」
夕焼け色に染まる空を見上げながら独り言を呟いていると、後ろから俺の名前を呼ぶ声がし勢いよく振り返る。視界にはおそらく学校から走って来たんだろう、息を切らしている悠理が居た。
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