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「く‥くら‥足、早く‥ないっ‥?」
俺の目の前まで来た悠理は肩を大きく上下に揺らし、荒く乱れた息を整えている。ちゅーか、悠理用事ある言うてへんかった?
「大丈夫か?ちゅーか、どないしたん‥っ、!?」
心配する言葉と共に、疑問が次々に頭に浮かび問い掛けようとしたが、それは悠理の手を引っ張るという行動により遮られた。要するに、手を繋がれとるんや。
「いいけん、黙ってついて来て」
半ば強引に繋がれた、俺の左手と悠理の右手。何が何だかわからずただ悠理について行く。
‥ほんまは、悠理が俺のこと追いかけて来てくれただけで嬉しいんやけどな。
自然と表情が緩んでいくのを感じながら、言われた通りに黙ってついて行く。せやけど‥何処に行くん?こっちは悠理と俺ん家しかないで。もしかして俺ん家まで送って‥いや、それはないな。悠理と俺ん家、隣同士やし。
暫く無言のままついて行き、たどり着いた場所は―‥‥‥
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