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「え‥悠理の家?え、なんで‥」
「はいはい、早く早くっ」
「え、あ、ちょ‥!」
エレベーターに乗り込み、悠理が住んでいるという五階の部屋に向かう。なんで悠理の家に行かなあかんのやろ。
悠理が急に立ち止まった。多分、部屋に着いたんやろな。
「くら、目閉じて?」
「え、何でなん?」
「いいけんが早く!」
さっきから何も教えてくれんのに、注文ばかりは多いんやな。仕方なく目を閉じる。真っ暗や‥何も見えへん。
「私が案内するけん、ちゃんと私の言う通りにしてね」
もう頷くしかない。ガチャ、という扉の開く音。靴を脱いでゆっくりと足を進める。真っ暗な中にも少しだけ明かりが見えた。多分、リビングかなんかの明かりとちゃうやろか‥。再び、扉の開く音が聞こえた。部屋に入った瞬間、光があるのがわかり眩しくて更に目をぎゅっと閉じる。
「‥‥よし、ゆっくり目開けてみて」
何で目を閉じなあかんかったんかはわからへんけど、許可が降りたんならええか。そう思いそっと閉じていた目を開ける。
今まで暗闇だったところから、急に光りが差し込んだからかいつもより眩しく感じる。
目を細め、光りに目が慣れるまで‥と思っていた瞬間に耳に届いたパンッという乾いた音に驚き目を見開く。それと同時に何やら細いカラフルな紐みたいなんが顔に掛かったり、肩に掛かったり‥。キラキラと光る紙吹雪みたいな‥なんやこれ。
そして次に視界に入ったのは―‥
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