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また桜が舞う季節が廻ってきた。
私がこの世界に来て一年が経とうとしている。
「一年ってあっという間なんだなぁ‥てことは私18歳じゃん。げ、ますますおばさんに近づく‥」
誰も居ない部室でぽつりと本音を独り言。
この一年間いろんな事があった。
人生の危機
仲間との絆
人の温かさ
そして何より―‥
愛しい人が出来たこと。
ずっと一緒に居たいと思える人が出来た。
出来ることなら離れたくない。
でも私には時間はあまり残っていない。
そんなこと、誰よりも一番理解しているのは私だ。
だからこそ今の時間を大切にしていきたいと思う。
綺麗事かもしれないけど、皆だって大切な人が出来たらそう思うんじゃない?
私だって最初は馬鹿らしいって思ってたもん。
「‥あ、もう時間だ。行かなくちゃあの人のところに」
誰も居ない部室に響く私の声。
今日は初めてのデート。
うんとお洒落をして‥可愛いって言わせてやるんだ、あいつに。
期待と楽しみに胸を膨らませ私は部室を後にした。
部室から見える桜の木―‥。
その桜の木が私の背中を押してくれた気がした。
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