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「あかんあかんあかん!遅刻!5分寝過ごしただけなんに何でこんなことになるとかー!」
時は2011年12月。
冬も本格的に始まり、寒さは厳しさを増してきた。
そんなある日、私結城悠理は自転車でもうスピードで登校中。
あれだ、寝坊したんだよ。
いや、だってさ寒いと布団から出たくないじゃん?
あと5分とか言って寝たら30分寝てたっていうパターンだよ。いつもなら布団ごとリビングに行くんだけど‥今日はちょっといい夢を見てて。
え?どんな夢かって?
ふふふー聞きたい?←
あのね、大好きな大好きな大好きな大好きな四天宝寺の夢を見ていたのですっ!
白石がさー、もうやばくて。謙也なんかもう可愛くて。金ちゃんは論外で可愛くて。光はツンデレさんだから可愛くて。‥‥言ったらキリがないから止めとく。
んで、結局いつもより30分寝てて遅刻寸前。でも準備に手間かからなかったから、いつもより5分遅い。
まぁ、ぎりぎりセーフでしょ?
「あ、近道して行こう!」
私はいつも通う道を通り越し、近道で行けそうな道を選んだ。
ま、前に進んどけばなんとかなる!‥って思っちゃったんだろうな、馬鹿な私←
右に急カーブをしてそのまま真っ直ぐ真っ直ぐ道を進む。でも一向に学校は見えて来ない。それどころか、見えて来るのは今までに見たことがない風景だけ。
やばいやばいやばいやばい。迷子だ。道に迷った。結城悠理絶賛迷子中だ。
思わず自転車を漕ぐ足を止める。ポケットから携帯を取り出し、時間を確認。
8時50分。
はい、遅刻ー。完璧遅刻ー。
あひゃひゃひゃひゃw
やっばい初遅刻ww
「‥‥よし、来た道戻ろう。ちゃんとした道行こう」
遅刻とわかったら、なんだか急に清々しくなってしまった←
Uターンをして来た道を戻る。
気のせいかな‥?
なんだかさっきと風景が違うような‥
「見たことないからそう思うんだよね、きっと」
そう信じて自転車を漕ぎはじめた。
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