◎複雑な気持ち

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看板娘さん(そう呼ぶことにした)は柔らかい口調と笑みを浮かべて言う。 なんかデジャヴー‥。でも光が即答で其れを否定した。ちょっとショック‥いや、かなりショックだわ。 てか、光って常連さんなんだな。毎日部活あるとにいつここに寄ってんだ? 「ふふ、そう。ではこちらへどうぞ」 看板娘さんに促されるままに案内された座敷に腰を下ろす。やっぱり畳って安心するなぁー‥。 「ほんならぜんざい二つください」 「はい、少々お待ちください」 「光‥なんか手馴れとるね」 「何度も来たことあるんで」 「一人で?」 「‥一人だったら悪いんスか?」 「あ、いや、別に‥?」 寂しいね、なんて口が裂けても言わない。
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