◎複雑な気持ち

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※白石side 嫌なもん見てもうた。 おかんに買い物頼まれて帰る途中、見たくないもん見てもうた。 「財前と悠理‥何やってんねん」 今日は部活休みやったから‥てか、悠理と財前が帰ってもうたから部活休みにしたんやけど。やから、放課後皆がどうしようと勝手かもしれん。 せやけど‥、よりによって財前と悠理が二人で居るとこ見たら嫌や。 もしかして今日の午後の授業からずっと一緒に居ったんとちゃう? モヤモヤとしたどす黒い感情が胸の辺りで渦巻いとる。 嫉妬。 俺が財前に嫉妬やて? ‥そうかもしれん。 最近、悠理が他の男と二人っきりで話とるの見るとごっつう腹立つ。 いや、最近ちゃうわ。悠理のことが好きっちゅーことがわかってからや。 財前のあの顔‥、絶対悠理に惚れとるやん。 財前だけやない。謙也に千歳、金ちゃんまでもが悠理に惚れとる。‥惚れとるっちゅーことに気付いてへんのは金ちゃんだけやけど。 「‥ライバルが増えてもうたな」 財前がようやく帰ったんを見て、悠理に声をかけよう思た。 「ゆう‥」 せやけど、なんか嫌になって直ぐに開いた口を閉ざす。 「‥帰ろ」 悠理に気付かれんようにそっとその場を離れる。 「悠理は‥誰が好きなんや」
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