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※白石side
嫌なもん見てもうた。
おかんに買い物頼まれて帰る途中、見たくないもん見てもうた。
「財前と悠理‥何やってんねん」
今日は部活休みやったから‥てか、悠理と財前が帰ってもうたから部活休みにしたんやけど。やから、放課後皆がどうしようと勝手かもしれん。
せやけど‥、よりによって財前と悠理が二人で居るとこ見たら嫌や。
もしかして今日の午後の授業からずっと一緒に居ったんとちゃう?
モヤモヤとしたどす黒い感情が胸の辺りで渦巻いとる。
嫉妬。
俺が財前に嫉妬やて?
‥そうかもしれん。
最近、悠理が他の男と二人っきりで話とるの見るとごっつう腹立つ。
いや、最近ちゃうわ。悠理のことが好きっちゅーことがわかってからや。
財前のあの顔‥、絶対悠理に惚れとるやん。
財前だけやない。謙也に千歳、金ちゃんまでもが悠理に惚れとる。‥惚れとるっちゅーことに気付いてへんのは金ちゃんだけやけど。
「‥ライバルが増えてもうたな」
財前がようやく帰ったんを見て、悠理に声をかけよう思た。
「ゆう‥」
せやけど、なんか嫌になって直ぐに開いた口を閉ざす。
「‥帰ろ」
悠理に気付かれんようにそっとその場を離れる。
「悠理は‥誰が好きなんや」
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