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濱口が来ると誠逶は立ち上がる。 誠逶はそのまま濱口に抱きつく。 「どうかした?」 濱口はいきなりのことに驚きながらも聞いた。 〈さっきね、会計方の人達の処に行ってきたの。〉 「どうして?」 〈ちぃちゃんのお願いを叶える為に。〉 「そっか。がんばったね。」 濱口は誠逶の頭を撫でた。 誠逶は気持ち良さそうに目を細める。 それが嬉しくて濱口は笑う。 最近はこんなことの繰り返し。 だが誠逶は幸せを感じているようだ。 〈鬼一、稽古?〉 「うん。ごめんね。」 〈いいの。がんばってね。〉 「うん。じゃまた後で喋ろうね。」 〈うん!〉 濱口はそれを見ると稽古に入った。 誠逶は暇になったので屯所の中をぶらぶらすることにした。
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