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誠逶がぶらぶらしていると前からさっき見ていた会計方の一人が歩いてくる。 「九親くん。」 〈さっきぶり。〉 「もしかして僕の名前しらないかな?」 〈うん。〉 「僕は河合耆三郎。よろしくかな。」 〈よろしく。〉 「少し一緒に喋ろうかな。」 〈うん。〉 河合はどうやら最後にかなをつけるのが癖のようだ。 河合の問いに誠逶は素直に応える。 そして二人は縁側に座る。 足を外に投げ出した状態で。 誠逶は足がつかない為に足をぶらぶらさせる。 「九親くんは鬼一くんと仲がいいかな。」 〈うん。鬼一は優しいから。〉 「僕も九親くんの友達になったら駄目かな?」 〈なってくれるの?〉 「いいかな?」 〈うん!嬉しい!〉 「僕も嬉しいかな。」 河合の言葉に誠逶は喜んだ。 誠逶にはまた友達ができた。
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