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誠逶は仕事が終わり濱口と河合と縁側でのんびりとしていた。 今日はいつもより早くおわったらしい。 初めての誠逶にはわからないことだが。 土方も感心していた。 「そういえば九親の刀の星輝は人を斬ったことあるの?」 〈あるよ。〉 「大丈夫だったかな?」 〈うん。ちゃんとその人の人生背負うから。〉 濱口は抱きついた。 いきなりのことに誠逶は驚く。 河合も驚く。 「強いんだ。九親は。」 終いには河合も抱きついてきた。 誠逶は全く動けなくなってしまった。 誠逶は混乱する。 今までしてきたのは冲だけだからだ。 〈ねぇなんで此処の人達はみんな優しいの?〉 「仲間で家族だからだよ。」 「九親が好きだからかな。」 〈優しいって怖いね。〉 「どうして?」 〈たくさん甘えたくなるから。〉 「甘えないと駄目だよ。」 「みんな九親が甘えるの望んでるかな。」 誠逶は精一杯笑った。 一番輝いた笑顔だった。
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