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誠逶は泣いた。 だが何かが吹っ切れたのか笑っていた。 〈ちぃちゃん僕がんばるよ。〉 九親は部屋を出ていく。 斎藤はその後をついてはいかなかった。 九親は濱口の下に向かった。 濱口は道場で稽古をしていた。 〈鬼一。〉 誠逶は口を動かす。 だが濱口は稽古に集中している為に気づかない。 だが稽古を見ていた永倉がそれに気付き驚きながら濱口を呼ぶ。 「鬼一! 九親が呼んでるぞ!」 その言葉に濱口に驚き、稽古を中断し誠逶の下に向かう。 〈鬼一。〉 「もう大丈夫?」 誠逶は頷く。 「鬼一、稽古はもういいから九親見とけ。」 「はい!ありがとうございます。」 永倉の言葉を素直に受け取り濱口は誠逶を引っ張り道場から出た。 それから自分の部屋に向かう。 部屋といっても濱口は平隊士な為一人部屋ではないのだが。 部屋につきすぐに座り濱口は微笑んだ。 「よかった元の九親にもどって。」 誠逶は頷いた。
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