193人が本棚に入れています
本棚に追加
誠逶は泣いた。
だが何かが吹っ切れたのか笑っていた。
〈ちぃちゃん僕がんばるよ。〉
九親は部屋を出ていく。
斎藤はその後をついてはいかなかった。
九親は濱口の下に向かった。
濱口は道場で稽古をしていた。
〈鬼一。〉
誠逶は口を動かす。
だが濱口は稽古に集中している為に気づかない。
だが稽古を見ていた永倉がそれに気付き驚きながら濱口を呼ぶ。
「鬼一!
九親が呼んでるぞ!」
その言葉に濱口に驚き、稽古を中断し誠逶の下に向かう。
〈鬼一。〉
「もう大丈夫?」
誠逶は頷く。
「鬼一、稽古はもういいから九親見とけ。」
「はい!ありがとうございます。」
永倉の言葉を素直に受け取り濱口は誠逶を引っ張り道場から出た。
それから自分の部屋に向かう。
部屋といっても濱口は平隊士な為一人部屋ではないのだが。
部屋につきすぐに座り濱口は微笑んだ。
「よかった元の九親にもどって。」
誠逶は頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!