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向かった先は呉服屋。 勿論誠逶の着物を買う為に。 「いらっしゃい!」 「この子に合う物ある?」 「暫くお待ち下さい。」 〈僕別に要らないよ?〉 「駄目だよ。それも少し大きいでしょう。」 〈でも。〉 「これは副長からの命令だからね。」 〈そうなの?〉 「うん。」 「これなんかどうです?」 なん着かを薦められ誠逶は必至に考ええる。 「どれがいい?」 〈鬼一が決めて。〉 「こればかりは自分で決めないと駄目だよ。」 「この子喋れないんですか?」 「はい。」 「可哀想に。よし、好きなの一着タダであげる。」 「えっ!?でも、」 「いいの。」 〈じゃぁこれ。〉 「一着じゃ駄目だよ。」 〈もう一着は鬼一が選んで。〉 「仕方ないな。…これは?」 〈うん。これがいい。〉 こうして一着はタダでもらうことができた。 「また来てよ。」 こうして二人は屯所に帰った。
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