日常への一歩

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今日は学年行事 クラス対抗でのスポーツ祭が執り行われる ちなみに、今日は四月の第三週 入学式から一週間が経ち、これからの学校生活の為にクラスが団結するため、 さらにメンバーの特徴を知るためにこの時期に行われるらしい しかし、 なかには行事に参加するつもりのない人間もいるわけで 誠章は入学早々クラスの輪の外にむかって進み始めた 「ったくよぉ。なんで高校生にもなって体動かさなくちゃなんないんだぁ」 そう独り言を呟いてみる 誰もいない教室 誠章は運動場から抜け出してきたのだ 自分の席に着く 足を机の上に投げ出す 椅子をギーギー鳴らしながら 今日、学校に来たことを本気で後悔する ・・・スポーツ祭のことを覚えていれば 「早く終わんないかな」 独り言 だが、今度は独り言にはならなかった * 「裏野くん!」 教室のドアの方から大声で名前を呼ばれた 誠章はその声にびっくりして、 椅子ごと後ろに倒れた 「痛つつ・・・」 後頭部を手で擦る 「スポーツ祭をサボろうとした罰よ!天罰なのよ!」 声が近づいてくる 「い、いいんちょう?」 「さあ、早くグラウンドに来なさい。 みんな待ってるんだからねっ!」 声の主は誠章のクラスの委員長を務めている『夏木 美央』 彼女は才色兼備かつ運動神経もバツグン この学校にトップで合格し、 その容姿は見る者全てを虜に・・・ ---これがアニメや小説なら間違いなく彼女は完璧な女性だっただろう しかし、 神は彼女に二つの欠点を与えたのだ 一つ 「べつにアンタが来なくても私個人は困らないわ。 はじめから競技への頭数にすら入ってないし」 この口・・・もとい性格の悪さは尋常ではない 他者を貶すことは勿論、 蹴落とすことに何の躊躇いもない 二つ 「ただ、クラスみんなでやって初めて意味を成す行事なんだから早く参加しなさいよっ!」 「・・・」 見えない 声はするのだが 見えない そう 背がとても低い (あと胸もない) さすがに見えないというのは過言であるが、 多分150センチはない ちなみに誠章の席は窓際の一番後ろである 夏木はちょうど対角のドアから入ってきた 誠章は倒れているせいで余計に夏木が見えていないのである 「さっさとグラウンドに来なさいよっ!」 夏木が強くドアを閉める ・・・教室の窓が割れるのではないかと心配してしまうほど
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