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一度見てしまうと、それからは嫌なところばかりが目に付いてしまった。 レストランで店員さんに偉そうな態度をとったり。 一緒に電車に乗った時は、お年寄りが立っていても平気で座ったり。 私には優しいのに、私以外の人には別人のようになる亮が嫌でしかたなかった。 別れを切り出すと、亮はすんなり受け入れてくれた。 こんな俺と付き合ってくれてありがとな、とまで言っていた。 でも私は心の中で、嘘つくなよ、そんなこと思ってないでしょあんたは、と思っていた。 別れてからは、もう二度と関わることもないと思っていた。
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