3.墓参りと飴玉

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――――――――――― 緩やかな坂を上れば、墓地はもうすぐそこだ。 樹齢何百年かの大木が憂鬱な気分の僕等を迎える。 蝉がうるさい、空気が暑い。僕の視界はぼやけ、意識は遠退きつつあった。 それでも何かがふらふらと揺れる僕を呼び止めていた。 「…また、だね」 「会いたいなぁ…ホントによぉ」 倭はどこか遠くを見てるし、駿は半泣きだ。 僕だって会いたい。 僕だって泣きたい。 佳菜は、僕たちがこんなに悲しんでてもわからないんだなぁ… 少し、むかつくよ 置いてきぼりにして、 僕の悲しみをよそに、 勝手に死んじゃって。 僕の涙は君だけで枯れちゃうよ。 「あ?…なんだこれ」
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