1.饅頭と縁側

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今の季節は真夏だ。 蝉たちはけたたましい声で鳴き、太陽は頭上を明るく照らす。 僕たちは一昨日から田舎の実家に帰っていた。 そして今日が最後の日。 成人になり、都会に住んでいた僕たちはお盆にだけ実家に帰る。 倭たちはいつも日にちを合わせるが僕は職業柄、合わせることができない。 今年は、たまたま日にちが一致したのだ。 そして今、僕たち四人は墓参りを終え実家の縁側で饅頭を食べながら懐かしい話をしている。 仲のよかった僕の母さんと倭の母さん、それと僕たちの親友の墓参り。 親友の墓を見る度に感じる悲しみは消えない。墓を見て思うことは死なせてしまった、という後悔だけだ。 いつのまにか皿を回収している倭に饅頭ののっていた皿を渡して、真っ青な空にため息を吐いた。 「…おーい燈真、大丈夫かぁ?顔色悪いぞ」 「おう…大丈夫」 駿は一見、怖そうに見えるが、すごく優しい。 昔は一番泣き虫だったりもする。 頭をポンポンと叩いた腕には無数の傷があった。 はかなげな笑顔は昔と変わらない。
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