1.饅頭と縁側

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――――――――――――― 夕食を終え、風呂に入って、今の僕は布団の中。 寝ている和室の外は昼間にいた縁側。昼間の太陽はなくなり、月が明るく夜空を照らす。 昼とは違う、神秘的な空だ。 昼に、はしゃぎ過ぎたのか僕はすぐに眠気に襲われた。 明日起きてすぐ東京に帰る、そう思うと少し名残惜しい。 もっといたいと思うが、迷惑はかけられない。また来年だ。 都会は僕に合っていなかったように思う。 通り過ぎる車の音、笑い声、全てが時々嫌になる。 消えてほしい、そう思ってしまうんだ。 枕元に輝く鈴を手に取る。 ずいぶん昔の鈴なのだろう、鈴は鈍く光っていた。 憂鬱な気持ちで夕焼けを眺めていた僕に祖母がくれた。 これを渡す祖母の表情は何処か悲しげで僕に一言だけ言って、夕食の支度に戻った。 『これは、燈真の望みを見せてくれる、きっと役に立つよ』 もし、 これが本当ならば。 僕はあの頃の、僕に会いたい。 知りたい、あの勇気は何処から湧いたのか。 あの頃を僕に、見せてくれ。
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