2.山道とポテチ

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「僕は行かないよ」 案の定、真夜は断った。 行こうよ、とは誘えない。 墓参りの時、一番悲しんでいるのは真夜だから。 佳菜の葬式に最後まで泣いていた、 行くな、と病院で叫んでいた、 いつもの冷静さなどなかった、 真夜には親友以上の存在だったから。 「そうか…」 倭も駿もわかっている。 真夜を連れていってはいけないと。 「…じゃあ僕達だけで行ってくるよ」 倭は玄関に歩き出した。 「…行ってくるぞー…」 「真夜…」 ついていく足が重い。 言いたかった、 「真夜も来いよ!」 と、昔みたいに。 --――――――――――― 車の中にポテトチップスの匂いが充満して気持ち悪い。 隣の倭は車酔いなのか目を閉じて俯いている。 「昔、燈真はー…」 そんなことお構いなしに駿はバリバリと音を立ててポテトチップスを食べている。 ちょっとイライラしたのは黙っておこう。
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