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「…燈真!お前大丈夫か?」
「っえ…?」
なんで泣いてんだよ、って心配そうな顔で言う駿。
本当だ、なに泣いてんだよ自分。
僕はずっと自分勝手に生きてきた。
みんながついてくるのが普通で当たり前だと思って、
みんなを振り回してた。
ついて来い!とか言って迷惑をかけてたんじゃないかって。
「っ駿…」
「…なんだ?」
「…ごめん、いつも僕は…」
駿は本当に優しい。
運転してる叔父さんに止めるように言って僕と山道におりた。
「…具合悪くはないんだな?大丈夫か?」
「うん…でも…俺…」
つい俺と言ってしまった。
昔はいつも俺って言ってたのに、そういえばいつから僕と言ってたんだろう。
「…墓参り、やめるか?」
「大丈夫、…」
そのあとしばらく、駿は僕を心配そうに見ていた。
また迷惑をかけた、
謝れなかった、
後悔ばかりが残った。
山道を進む、
がたがたと車内は揺れて、駿のポテトチップスはこぼれ落ちる。
自然に笑顔になった。
「笑うなよ~…」
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